2017年08月31日

オオムラサキ幼虫の習性

 スミナガシやミスジチョウなどの幼虫が、天敵の目をごまかすために食痕のある枯葉を身の周りに集めて吊り下げるという習性があることはよく知られているが、オオムラサキの幼虫に若干似たような習性がみられる。
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ミスジチョウなどと明らかに異なるのは、枯葉がぶら下がる場所が幼虫の身の回りではなく幼虫の常駐する葉からは離れた位置だということ。
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オオムラサキの幼虫には、葉を食べる際に常駐場所と決めている葉から出かけて行って摂食後に再び戻るという習性があり、今回の観察事例は、幼虫が葉をほぼ食べつくしたあと枯れ葉となったものが自然に絹糸で吊り下がったまま残っているだけで、幼虫が意図的にしかけた仕業ではないかもしれない。
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同じくエノキにつくゴマダラチョウの幼虫についてこのような観察事例はなく、オオムラサキが野外でも上記のように枯葉を残しているとすれば、野外でオオムラサキの幼虫を発見するマーカーになる可能性がある。
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2017年08月28日

テニスの合間に

 午後の最も暑い時間帯にあえてハードコートでテニス。集まるメンバーはわずか5名で、テニスの試合中にコートそばを滑空しながら飛ぶルリタテハを見るが、もちろん記録が撮れるはずがない。3ゲームごとに一度は休憩ができ、その合間にビデオカメラをもって自然観察。元気よく飛び交うのはアゲハとヤマトシジミで、アオスジアゲハもクスノキの樹冠を飛び回るが、いずれも撮影チャンスはなし。木陰となった路面に横たわるアオスジアゲハは理由不明のご臨終個体で、アリさんが始末に大わらわ。
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クスノキの葉裏にひそむカメムシを撮影しようと葉っぱをつまむと、ポトリと足元に落ちて逃げ場を探す。せめて全体像がよくみえるようにとクスノキの枯れた落ち葉へと移動してもらって撮影記録。
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Web検索で南方系のキマダラカメムシだと同定でき、長崎に上陸した後分布を広げているらしい。先日ジャコウアゲハの観察時にエノキの葉上でみたのは本種の幼虫だった。
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ウバメガシの新芽周辺でチラチラと飛ぶ小さなチョウに目を向けると、ムラサキシジミではなくてイチモンジセセリで、まさにジェット戦闘機が離陸寸前にあるような態勢を見せてくれる。
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このような角度から撮影できたのは初めてで、なかなか味わいがある。
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2017年08月27日

オオムラサキの幼虫観察

 室内の瓶挿しエノキで飼育しているオオムラサキの幼虫のなかに8月25日に4令へと脱皮した個体がいる。
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体長は15mmで大きく育った3令に同じ体長の幼虫もみられるが、
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体長は平均的に3令では13-15mmというところ。
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4令個体は脱皮から3日目で体長が18mmへと成長しており、
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越冬までに今一度脱皮をして、5令での越冬になると思われる。幼虫の習性として、例えばアオスジアゲハなどで食べる葉っぱがたくさんあっても同じ葉上で複数の個体が休息する様子を目にするが、オオムラサキでも同じ光景がみられる。170827仲良し.jpg170827仲良しb.jpg
ときには、他の幼虫の休息場所へと侵入して怒られる場合もあるようだ。170827バトル0.jpg
なお、エノキの新葉を追加する際、幼虫が定住の休息場所として陣取っている場合、無理に移動させると足をケガさせたりするため、枯れ始めた葉っぱであっても少しでもカビなどが発生しないように周囲を切り取って新しい葉上にそっと乗せるのだが、幼虫はそこから食事に出かけても再びその場所へと戻って休息をする習性が見られる。170827座布団.jpg170827座布団0.jpg


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ジャコウアゲハ受難

 ようやく自然発生が復活したばかりのジャコウアゲハの生息地の8割ほどが一気に破壊されてしまった。
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土手の補強工事だとのことで、兵庫県管轄の県道沿い1mを残した土手斜面一帯が、完璧に破壊され、ウマノスズクサについていた幼虫は回収できないまま、工事の犠牲となって消えてしまった。河川敷へと続く小径沿いに呆然と立つ筆者の周りを、ツマグロヒョウモンが何かを訴えるかのように何度も旋回し、ときには白シャツに止まる気配さえ見せる。
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生息地の大半を奪われたジャコウアゲハが、近くの児童公園の木陰を縫うように飛ぶ姿は何とも哀れだ。
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その木陰の一角にある小ぶりのエノキにはただ1頭のゴマダラチョウの幼虫がいて、
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同じエノキの葉影に身をひそめるカメムシ類の幼生のようにみえる虫は何という種名なんだろうか。
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同定のためのアップ撮影を試みても、葉裏から迫れば表へとすばやく位置を変えるため、明瞭な記録は撮れず。後日、クスノキの葉にとまるキマダラカメムシと出会い、その幼虫だったことが判明。
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2017年08月22日

ムラサキツバメがやってきた

 高砂市松波町の自宅近くでムラサキツバメを観察記録。10数年前に高砂市西畑のマテバジイに飛来したムラサキツバメ Arhopala bazalus turbata を目撃したが、カメラ撮影が間に合わないうちに飛び去られて記録として残せていなく、ようやく確実な記録がとれた。
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最初の記録はバラの葉上にとまるもので、オオムラサキ飼育用のエノキを調達するために向かう途上、いきなり目の前に飛来した黒いチョウがムラサキツバメだとわかってテンションアップ。ところがカメラは持参していなく、通勤の男性が歩いて通り過ぎる際に飛び立たないことを確認してから、小走りでビデオカメラをとりにいって戻った時点でまだ同じ位置に止まってくれており、とにかく証拠記録だけは残そうと遠目からビデオON状態として接近。
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歩行者の動きで飛び立たなかったわりには敏感で、接写まで迫る前に飛び立たれるが、幸い近くのアカメモチの垣根周りを飛び、やがてアカメモチの葉先に落ち着く。
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雌雄いずれかがわからないままで、まさかメス個体でアカメモチに産卵することはないと思うが、気のせいか腹端をまげて産卵しそうな動きもみられる。結局、産卵したかどうかは分からないまま。エノキを調達しての帰りではどこかへ飛び去ったのかムラサキツバメの姿はなし。
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2017年08月20日

ジャコウアゲハが盛んに産卵

 高砂市の復活生息地で、3-4個体のジャコウアゲハ♀があちこちで産卵する光景をみる。
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秋の除草作業が幼虫の時期に実施されないことを祈るのみ。
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2017年08月10日

ジャコウアゲハ Byasa alcinous の自然復活を確認

 高砂市のウマノスズクサ自生地へジャコウアゲハの発生状況調査目的でサイクリング。暑い陽ざしの中、ウマノスズクサが茂る土手斜面でジャコウアゲハの幼虫を探してみる。まずは、県道沿いに群生するウマノスズクサを道路側からチェックしてみると、のびのびと生育する無傷のきれいな葉っぱや独特の花が目立つばかりで幼虫の姿は全くなく食痕もみられない。道路側から土手の急斜面へと入り込んで、深い草むらに埋もれるように生えているウマノスズクサの葉裏をめくっていくと、ようやく幼虫1個体がみつかる。
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除草作業のあとに特に目立つように生育しているウマノスズクサにはまったく幼虫はいなく、
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再び茂みの中で食痕を目印として探すと、複数の幼虫がつくウマノスズクサが数株みつかる。それらすべての撮影記録を撮ったのだが、太陽光の反射でみにくいビデオカメラの小さなファインダー画面で、炎天下にじっくりとフォーカス合わせをする気力はなく、ピンボケの連続で使えるのは次の1枚だけ。いずれにしても、あえてむき出しとなった食草を避けて、天敵が見つけにくいブッシュ内の食草を選んで産卵をしている母チョウの自衛本能には文句なしの「あっぱれ!」を。
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草地から離れた公園の周辺ではジャコウアゲハの飛翔もみられ、
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サクラの樹木にからむヤブカラシの花蜜を求めて、涼しい木陰を飛び交う個体も観察。
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ときにはそばを飛ぶ元気なアオスジアゲハと追飛翔を繰り返したり、2-3個体のジャコウアゲハの飛翔を観察でき、この発生地が自然復活したことをうれしく思う。

posted by クジャクチョウ at 16:24| Comment(0) | 日記

オオムラサキ幼虫が3令に脱皮

 オオムラサキ Sasakia charonda の幼虫のなかに、3令へと脱皮する個体が出始めている。角状突起が一段と大きく精悍さが増している。脱皮直後の体長は9mmで、次の脱皮までにどれだけ成育するのか、しっかりデータをとるつもり。
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鉢植え植栽のエノキ幼木の葉は、多くの幼虫に摂食されてとても持ちそうになく、野外から採取した瓶挿しのエノキへと画材の絵筆を使って移しているが、エノキの葉先に陣取って静止している幼虫が、単なる休止中なのか3令への脱皮に備えての休眠かどうかがわからないため、今は無理に移すことができない。
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posted by クジャクチョウ at 09:30| Comment(0) | 日記

2017年08月06日

青少年のための科学の祭典2017

Aug. 5-6, 2017、第10回青少年のための科学の祭典2017に「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」としてブース出展。2大イベント:「チョウと蛾の判別コーナー」と「チョウアルバム作成コーナー」で大賑わいの2日間。初日、メモ持参の第一訪問少女が「ミヤマカラスアゲハをアルバムにしたい」という最高のタイミングで開始できたチョウアルバム作成は準備をしたアルバム台紙300枚がすべて使用され、チョウの翅標本も、約400個体が記念作成品として、幼稚園児から高校生まで、例外として中学校の先生に持ち帰っていただけた。
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コバルトブルーの輝きが美しいアオタテハモドキのオスと、鱗粉色が褐色と青色2タイプのメス個体の標本化に挑戦してくれたのは、そばで見守る中学生のお姉さんかあるいは母親かと気遣いながらたずねると何と中学校の先生と生徒という間柄。この先生、テングチョウとルリタテハの越冬生態について興味をもって研究テーマにされたことがあるとうかがい、がぜんうれしくなる。例年人気度が高いのがキアゲハとアオスジアゲハで、
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沖縄・八重山諸島で採集してきたスジグロカバマダラやツマベニチョウも、できる限り子供たちの希望に沿うように、惜しげなく提供。
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男の子に「オオムラサキがいい」と言われて、そういう子もいるかもと準備した数少ない隠し玉から取り出し「オオムラサキは何で知っているのか」と聞くと、NHKの「ダーウィンが来た」で観たとのこと。今年は他の高校生たちのブース出展を訪問ができずに終わるほどの忙しさで、
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時には一人で5名の子供に対応するなど大変なタイミングもあったが、集中力、美的センス、根気強くねばる精神力などが養えるチョウアルバム作成と、チョウと蛾の微妙な違いを見分けるコーナーでは、識別力と分析力が身につくなど、子供たちの科学する心をいくらかは啓発できたものと思う。
posted by クジャクチョウ at 23:00| Comment(0) | 日記

2017年08月02日

オオムラサキの幼虫が脱皮して2令に

 7月29日に孵化したオオムラサキ Sasakia charonda の幼虫の一部が脱皮をして2令になっている。
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手前にボケて撮りこめている白い斑点など母チョウの排せつ物で汚れた葉っぱ上には、脱皮を終えたばかりで格好いい突起がまだ伸びきっていない幼虫もいる。
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2枚目の右隣の初令幼虫は、孵化時の3-4mmから7mmへと成長。脱皮個体は今のところ5個体だが、まだ初令の幼虫たちがエノキの葉を摂食した痕跡が次第に面積を広げていて、現在の植栽エノキだけでは越冬まで持ちそうにない。脱皮からしばらくすれば、頭部の突起が黄色から褐色の丈夫な角状突起になって、精悍さが増し、
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あちこちでエノキの葉をうまそうに摂食している。


posted by クジャクチョウ at 11:20| Comment(0) | 日記