2018年07月02日

国土交通省がメール要望に対応してくれた

ジャコウアゲハの生息地では、母チョウによる産卵が盛んな時期で幼虫も初令から終令近いものまで成育中だが、国土交通省の管轄である県道西側の土手斜面で除草作業が北から南に向かってどんどん進んでおり、ウマノスズクサが自生する部分で草刈りが実施されると、ジャコウアゲハの卵や幼虫が全滅してしまう。そこで6/28に国土交通省のHPにアクセスして、そのQ&Aコーナーにせめて土手の道路際から1mていどは草刈りをしないでほしい、との要望をしたのだが、本日の午前中に担当の方から現地で落ち合って話を聞きたいとの電話が入る。なんともありがたい対応で、約束の時間より少し早めに現地に入ると、驚いたことに土手斜面の裾部分がすでに刈り取られている。急ぎ、これから除草が進められる斜面部に入ってウマノスズクサを調べると、卵や幼虫のつく株が散見され、すべての回収を始める。やがて担当の方2名がやってこられ、国土交通省が除草する目的は、土手斜面の地肌を露出させて、陥没や強度の緩みがないかの目視確認にあり、土手際肩部まですべての露出点検が必要で、ウマノスズクサが多く茂る部分も刈り取ることが原則不可避だと。そして、すでに実施した刈り取りは、専用除草車の安全運転のために必ず行う前段階の手作業だとの説明を受ける。当方の希望は1)可能な限り肩部のウマノスズクサが残る除草としてほしい、2)それがだめなら、せめて幼虫がチョウになるまで除草作業を1か月ほど遅らせてほしいとの希望を伝える。最終判断がどうなるのか今はいえないが、部署内で再検討をするとの約束をしてくださり、その後は猛烈に熱い太陽が照りつけるなか、確実に刈り取られる部分で徹底的に卵と幼虫を回収して回る。葉裏に産みつけられた卵は総数で30個はあり、
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これらは持ち帰って孵化させ、その後の対応はまた考えるとし、幼虫は1か月のうちにチョウにまで育ってくれるかどうかわからないが、道路際のウマノスズクサ群へと移して撤収。
posted by クジャクチョウ at 20:44| Comment(0) | 日記

オオムラサキ:樹液食堂が激減してかわいそう

6月半ばまでならヒロオビミドリシジミやウラジロミドリシジミが観察できるナラガシワのある場所を横目に走り、最初の観察ポイントを調べると、樹液が枯れきって独特の香りは全くなく、もうここは観察対象ではないと諦める。2016年に竹内さんたちがスギタニ型♀を観察した樹液のある大木が突然切り倒され、しかもあとで新芽を出して再生できるような切り方ではないのが腹立たしいが、2015年に筆者が別の場所に新たな樹液食堂をみつけてフォローしてきたところへと足を早める。高い位置から見下ろす角度でオオムラサキのきれいな輝きを撮影記録しようと北岡さんも重たい脚立を担いでやってくる。ところが、樹液がない、いや樹液の出ていた樹木が2本とも切り倒されて見えないのだ。確認できるのはここでの切り方もあとで新芽も出ない路面から20cmも残されていない根株だけ。樹液に来るスズメバチが自然観察目的で訪れる子どもたちに危険を及ぼすから、という話を聞いたことがあるが、樹液に集まるスズメバチは大群であることもなく、人に危害を加える可能性はきわめて低い。樹液にはどのような昆虫が集まり、いい場所どりのために昆虫同志でどのような奪い合いを展開するのか、例えば、オオムラサキとスズメバチはどちらが強いのか等、自然の生きた姿を観察できる好ましい例はそれほど多くはないわけで、いったいここの管理人はどういう考えでこのような暴挙を繰り返すのか、理解に苦しむ。
 ここの領域で最も歴史が古い樹液食堂は残っているが、例の独特の匂いはうすく、この日にやってきていたのはジャノメチョウがただの1頭。
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樹液には常連であるはずのカナブン、ヨツボシケシキスイ、クワガタ類の姿はまったくなし。オオムラサキが雄大な滑翔で近くを飛ぶのがみえても樹液にやってくることはない。残る樹液ポイントはあと1か所。わずかの望みをいだいて訪れ、車から出たまさにそのとき、目の前でオオムラサキの♂♀が絡みながら飛ぶ。すぐに樹液のある大木の幹にとまっていよいよ交尾かと期待するが、
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撮影目的で近づきすぎたのか、この樹液まわりにとどまることなく絡み合い飛翔のまま樹林奥へと消えてしまう。しばらくしておそらく別個体だと思える♂が近くを飛ぶが、われわれが近くにいるせいか樹液へとはやってきてくれない。比較的きれいな状態を保つウラナミアカシジミが飛び出してコナラ葉裏にとまるのを撮影してみるが証拠記録でしかない。
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オオムラサキの樹液飛来には時間をあける必要があり、最古の樹液ポイントを再チェックしに行っても訪問者がいないことを確認しただけ。その途上、シロツメクサで蜜を吸う翅表が黒くなったベニシジミにもカメラを向け、
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路面のどこかで休んでいたのを驚かせて飛び出し、なぜかとまった直後だけ翅の開閉をしたあとすぐに閉じて二度と翅表をみせてくれないジャノメチョウを追いかけて、翅表をみせてくれた瞬間の記録をとる。
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 時間をあけて戻った樹液食堂には期待通りオオムラサキの♂がやってきている。手ブレ映像とならないように、ビデオカメラを三脚に固定してオオムラサキの動きをしっかりと記録する。
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後翅に若干の破れや傷みがある個体だが、少しずつ場所を変えるそのたびに何度も翅の開閉を繰り返してみごとなムラサキの輝きをみせてくれる大サービスがありがたく、後翅肛角部の赤桃色もとても美しい。この♂以外にも近くまでくる個体をみるが、結局樹液を楽しんだのはこの♂だけで、いったんどこかへと飛び去る。笹竹のあいだで寝床の準備を整えるヒカゲチョウを撮影記録し、
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昼食を準備していない北岡さんがコンビニへオニギリを買いにいくのに同行するのもいい時間間隔あけとなり、戻るとやはり先ほどと同じ♂がやってきている。
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さすがに同じ樹液では飽きるのか、10数メートル離れたクズのマントまで飛んでそこで休憩に入る。
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望遠モードで一応記録をとってみるが、翅表のムラサキ色はうすくしか見られない。このあと16時まで粘ったが、樹林の高い位置で飛ぶオオムラサキを目にできても樹液へときてくれることがなく、京都から車できてくれた北岡さんの帰りのこともあるため撤収。
posted by クジャクチョウ at 11:52| Comment(0) | 日記

クロシジミの生息調査は空振り

西播磨地区のクロシジミが生息する場所へ、ギフチョウ・ネットの竹内さん、北岡さんと調査に遠征。8時半に加古川を出て現地には9時40分に到着。林道を少し進んで仰天。雑木林の半分ほどが伐採して切り開かれ、錆がめだつブルドーザーとショベルカーが置き去りとなっているのだ(現地が特定されるため映像記録はなし)。林道沿い1m程は切られずに残っているため、クロシジミの発生樹が犠牲になったのかどうかはわからないが、全く影響がないとは思えない惨状を目にしながら、これまでにクロシジミが飛び交っていたあたりを中心にくまなく探してみるも、観察できたのはコナラの高い位置の葉上にとまるムラサキシジミ、2頭で絡み飛翔を繰り返していたオナガアゲハ、珍しくはないキンモンエダシャク、
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木の葉上でじっとして動かないルシシジミ、
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いきなり現れたホソバセセリ、
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ウツボグサで蜜を吸うツマグロヒョウモンの♀、
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サルトリイバラの新葉の食痕を目当てに裏返すと見つかるルリタタテハの幼虫(持ち帰りはせず)、
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例年より数が少ないジャノメチョウ、名前がわからないチョウに似た飛翔で飛び交い、葉裏にペタリととまって結局翅表記録が曖昧でカレハガの一種だとしかわからない蛾、
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およびここでは初観察となるキマダラモドキという具合。このあとオオムラサキの観察地へと向かう途上でテングチョウが路傍のコンクリート壁に染み出すたぶんミネラルを求めてまるでハエのごとくに群れ飛ぶ光景を目にし、さらにはわざわざ立ち寄ったクロツバメの生息地でムラサキシジミの♀がいて、
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映像記録がとれた種だけを示しておく。
posted by クジャクチョウ at 11:37| Comment(0) | 日記