日本初と思われる自然状態でのウラナミジャノメの前蛹をMay 17, 2019に発見し、誰にも環境を乱してほしくなかったため極秘に観察を続けて、自然状態での羽化の瞬間までを撮影記録できたので「月刊むし」に投稿。June 13, 2019に受理とのE-メール返信をいただけたので、要約を記述公開する。
前蛹の発見場所は、昨年の6月に自然状態での産卵1個をみつけた周辺で、

ヒメヒカゲの自然状態での蛹をみつけた要領で、スゲ類の茂みを上からのぞくように探していった結果、緑色の前蛹の一部が細い葉っぱからはみ出すように見えたという次第で、

茂みの横からだと前蛹の姿を判別するのが難しい。

手前の草をかきわけて前蛹の全体操を記録し、翌日には蛹化を確認。


6月1日に翅部分が淡褐色へと変化して羽化の兆候がみられ、

2日にはさらに黒化色となっていよいよ羽化間近とみなせた。

これまで飼育した経験上、チョウの多くが午前早い時間帯に羽化するとの推定で、6月3日の午前6時半に現地を訪問。腹節部の幅が広がってきた8時半頃からビデオ撮影ONで待つこと約1時間10分。

9時42分に羽化が始まり、ヒメヒカゲの羽化と同様、約20秒で体全体が抜け出て、


この時点で前翅眼状紋周りに淡色斑がないことからオスだと判別でき、2分も経たないうちに翅が伸び切った。

実は、筆者自身二度目となるヒメヒカゲの自然状態での羽化の瞬間を2017年6月3日に撮影記録していて、その時の羽化時刻は10時50分だったが、まったく同じ日付での羽化観察となった。なお蛹化位置は羽化後にものさしをあてて約10cmだと確認しているが、

ウラナミジャノメもヒメヒカゲも蛹化位置が地上約10cmという点で共通している理由を考えてみると、高すぎると野鳥などの天敵に発見されやすく、路面に近いとオサムシ類やトカゲなどに攻撃される可能性が高くなるとの推定ができる。ちなみにヒメカンアオアイの葉裏に下垂するヒカゲチョウの蛹を見つけたことがあるが、やはり同じように地上約10cmほどの位置で、投稿報文に記載しておいた。
posted by クジャクチョウ at 18:09|
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