深夜に羽化したジャコウアゲハ1♂1♀に赤マジックで「7/26」とマーキングをして、10時過ぎにバルコニーから飛ばすと、元気よく飛び立っていく。


どのような行動をするのかわからないが、期待するのは蛹を回収した現地へと飛んでくれること。
その個体に出会えるのにはまだ早すぎるかもしれない10時50分に現地につくと、花を咲かすノブドウが茂る桜の木の木陰部分で仲良く休憩をする♂2個体をみる。

ノブドウで吸蜜をしている複数の個体はなぜか♂ばかりで、桜の木の周りで静かに暑さをしのいでいる個体もこれまた♂ばかり。その休息場所がいろいろで、




それらの撮影記録をとってから、土手周りを再調査すると、見落としていたヨモギとトクサへの帯蛹が2個体見つかる。まもなく草刈りで切り取られる部分に残るウマノスズクサは、ここに産卵されるとすぐに犠牲となってしまうため、先行的に次々と切りとっていくと、なかには産卵された複数の卵がつく葉っぱがあったりする。

当然これらすべてを回収し、卵は持ち帰って孵化してから戻すこととする。持ち帰る対象は今一つ、先日、みつけて公園の植え込みと、土手上部のアキニレの根元に放置した蛹のいくつかを自宅で羽化させてマーキングをし、放蝶後にこの生息地へと飛んでくる個体がいるのかどうかを確かめたい。
アキニレの木に帯蛹となった個体の撮影記録をとり、

根元においた蛹の回収を始めたまさにそのとき、どこからか飛んできたジャコウアゲハの♂が、ピタリとアキニレの葉にとまって休息し始める。

桜の木の周りのような大きな木陰ではないこんな場所にどうして?と思える挙動だが、これまで何度も経験している、筆者がジャコウアゲハのために何かをしていると必ずどこからか飛んできて筆者の体のまわりを飛び回ってくれる個体がいるのだが、この個体も「暑い中お疲れさん」とでもいってくれそうなタイミングでの登場だ。せっかくだからと斜面に降りて本格的に本個体の撮影記録をとっていると、

ダンプカーがやってきた風圧で、さすがのジャコウアゲハ君も耐え切れずにさようならと飛び去っていく。


その状況を「挨拶にやってきてくれてありがとう」と見送る。
ところで、この児童公園内で蛹化した個体がどのようなルートで公園へとたどりついたのか、まさかとは思うが終令幼虫ともなると泳ぐことができた?などと想像をたくましくしていた謎の案件について、泳げなければ渡るはずのない側溝部分の撮影記録をとっておこうと全景を眺めてはっとする。1か所だけ金属パイプが橋架けとなっているではないか。

この部分を利用すれば幼虫が公園内へと移動するのは容易なことだと納得する一方で、逆に言えばよくぞこのルートを探し当てて移動したものだと、終令幼虫のきゅう覚というか、自己防衛のために何をすべきかを判断して行動できる能力に感服する。
頭のモヤモヤがひとつすっきりしたところで、ここで♀の姿を見ないで帰るわけにはいかないと、しばらく粘ると、まずマーキングのない♂が「もうお帰りですか」とあいさつにやってきて、

やがて、やっと♀が現れてノブドウの花の蜜を楽しむ光景がみられ、


マーキング個体の飛来は確認できないまま、回収した蛹と卵をビニール袋にしっかりと収納して撤収。
posted by クジャクチョウ at 16:36|
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日記