2020年04月29日

チョウの世界の忍者

雑木林でギフチョウの産卵調査をしていると、林床のひだまりで休息していたクロコノマチョウ(黒木間蝶)が驚いて飛び立ち、すぐに近くの落ち葉上に身を隠す。
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止まる瞬間まで目で追っていないと、その姿かたちを確認するのは至難の業。
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ときには緑の葉上に止まったりもするが、それでもみごとに背景に溶け込んでしまう。
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こうした擬態については沖縄や八重山諸島まで行けば出会えるコノハチョウの方が有名だが、コノハチョウはすぐに翅表を開いて鮮やかなオレンジやブルーをみせるのに対し、
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飛翔時以外には翅表を見せてくれずに、
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翅を閉じたままでじっと止まって人の目をくらます忍者的挙動はこのクロコノマチョウの方が勝っているように思う。
posted by クジャクチョウ at 18:30| Comment(0) | 日記

ギフチョウの産卵調査

公立機関の一斉休業で志方東公園の駐車場が利用できないため、駐車が可能なところに限定した5か所で産卵数の調査を実施。参加は「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」のメンバー7名。
 マムシが潜んでいる可能性に注意しながら、ヒメカンアオイの葉を1枚ずつ裏返してギフチョウの産卵数を数える作業は楽ではない。まるで宝探しのようなもので、めくった葉裏に真珠の輝きを放つ卵塊をみつけたときはうれしく、
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代表の竹内さんに大声で「7個」「8個」などとみつかった卵の数を知らせ、竹内さんが逐一記録をしてくれる。本日のチャンピオンは、おそらく異なる母チョウが同じ葉裏に産卵をしたと考えられる22個。
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 産卵位置は、ヒメカンアオイが多くの葉っぱで構成される株の場合、周縁に近い葉っぱへの産卵がほとんどで、母チョウがお尻を曲げて産卵する際に、もっとも楽な位置が選ばれている。筆者がみつけたなかには、地面すれすれとなった葉裏や、
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ちょうど中央の位置となる葉っぱに産み付けた例が1件だけあったが、
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母チョウが産卵するのにたまたまいい位置となっていたようだ。
 ギフチョウの産卵に関する不思議の一つに、大きな株よりはぽつんと離れた貧弱な株への産卵が多くみられるというのがあって、孵化した幼虫たちはたちまち葉っぱが豊富な株への移動を強いられるわけで、母チョウは苦難を乗り越えて強い個体だけが生き残る試練を与えているように思える。今一つの不思議が、5か所をめぐって調査をした結果、ヒメカンアオイが相対的に少ない場所で多くの産卵を認めるのに、密度濃くヒメカンアオイが群生するところでは極端に産卵数が少なかったこと。
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真珠の輝きを放つ卵の記録に適した葉っぱを紹介してあげて何人かで撮影した際、アリが攻撃を仕掛けているようにみえる記録がとれているが、
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接写による拡大撮影ができていないため、詳細は分からない。現地では徘徊するジグモやトカゲの姿もみられ、産卵から成虫となるまでに狙われる天敵は余多といるわけで、次の幼虫数調査での歩留まり率が気になるところ。
posted by クジャクチョウ at 17:50| Comment(0) | 日記

2020年04月28日

ジャコウアゲハの新たな産卵を確認

ジャコウアゲハの状況確認。移植したウマノスズクサの周辺がすっかり草刈りをされていたが、このことを想定して、エンジン草刈り機の刃を当てにくい桜の切り株周りに植えたのが正解で、3株ともに無事。少し元気がないため近くに落ちていたビニール袋に水道水を汲んで水をかける。いい塩梅に袋の底部分に穴があいていて、ジョウロの代わりとなる。越冬時から観察をしている蛹のいくつかに羽化した形跡が認められ、フェンスに帯蛹となっていた蛹の羽化後の様子を記録しておく。
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天候は曇りで冷たい風が吹いており、チョウの姿はなく、ウマノスズクサの葉をめくってジャコウアゲハの卵を探してみる。食草の数が多い土手斜面はちょっとのぞいただけで探す気が失せ、平坦部の数少ない部分を見て回ると3か所みつかる。
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 太陽光が届くとヤマトシジミが飛び始め、カタバミの花で吸蜜する様子を記録する。
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モンシロチョウも姿をあらわすがとまろうとしない。次いでジャコウアゲハも♀が飛び出してくる。新鮮度が高く、カラスノエンドウで吸蜜した後、
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絡んできた♂を軽くいなして空高く飛び逃げる。♂の動きをみていると、白い菜の花へと飛んで吸蜜し始めるので、急ぎその様子を撮影記録する。
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先ほどの♀は再びカラスノエンドウで吸蜜し始めたかと思うとすぐに飛んで、土手斜面の方へと産卵を目的としたような飛翔を見せる。
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posted by クジャクチョウ at 22:00| Comment(0) | 日記

2020年04月25日

シルビアシジミの♂にはまだ会えず

シルビアシジミの♂の発生を確認しに高砂市の生息地へと車で出かける。ミヤコグサの株が極端に少なくなった土手周りを飛ぶのはベニシジミとモンキチョウで、ヒメウラナミジャノメも少なく、テリ張りをするツマグロヒョウモンの♂を今年初観察。きれいなベニシジミも観察でき、ヒメウラナミジャノメが林縁の草むらで飛ぶのについていき、開翅場面を記録して再びシルビアシジミを探す。
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土手斜面を飛んで姿を消したシジミチョウがシルビアに見えたので、ミヤコグサの茂る草地を探す。ところどころに数少ないミヤコグサの花が咲く部分でやっとシルビアシジミを発見。一時2個体の絡み飛翔が展開するが、ブルーの輝き具合からいずれも♀のように思える。フォローできた1個体だけがミヤコグサに産卵しそうな挙動を見せるが、
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結局産卵することなく、土手斜面上部のタンポポの花で蜜を吸い始めるので、すべらないように足場を確保してこの様子をビデオに記録する。
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少しずつ態勢を変えるうち、左翅表の青鱗粉がキラリと光る瞬間もみられ、
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Facebookには動画記録もアップしておいた。
posted by クジャクチョウ at 22:00| Comment(0) | 日記

2020年04月22日

寒い日のジャコウアゲハ

再び寒波がやってきた昼過ぎの公園では、飛び遊ぶチョウがほとんどいなく、日差しがクスノキの新葉を照らし始めると、高い位置の葉上で離れて休息中の2頭のジャコウアゲハの姿がみえる。
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時には少し飛んでみせるが、すぐに近くの新葉上にとまる。さらに高い場所を選ぶ個体もいて、ズームアップから全景へと引いていくと、その位置の高さがよくわかる。
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 咲き始めたヒラドツツジにくる個体はいなく、どこからか飛び出した♀が弱々しく路面近くを飛ぶのでついていくと、飛び遊ぶには気温が低すぎるのかやがて休息し始める。
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昨年回収してキリシマツツジの茂みへと戻した越冬蛹は、自然に近い状態で管理してから戻したのが正しかったようで、まだ羽化しないでそのままだ。
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その撮影記録をとっていると近所の幼い兄妹が「こんにちは」と元気な声をかけて近づいてくる。なんの蛹かと聞くので、先ほどの休憩中の♀のところへと連れて行って飛ばしてやると「怖い!」といって逃げてしまう。怖くなんかないよと飛ぶ様子をじっと観察させていると、カラスノエンドウで吸蜜し始めるのですぐにビデオカメラを向ける。
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その様子をみて「おじさんは優しいの?」というので「そうだよ、優しくしてやるとチョウも喜んで遊んでくれるんだよ」。

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2020年04月21日

高砂公園でツバメシジミ

ムラサキシジミがウバメガシの新芽に産卵をしているのではないか、との期待で訪れてみたが、新芽の数が多すぎるため、越冬成虫を観察できた領域に絞って探してみる。幼虫になっていれば新葉を巻き込んだ営巣がみられるはずだがまったくそのような気配がなく、花が咲く部分の撮影記録をとるだけ。
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この間にヒラヒラと飛び出てきたのが、翅の縁にきれいな白い細毛がくっきりと傷一つない状態でみられる新鮮なツバメシジミの♀。
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止まってはすぐに飛び立たれるの繰り返しで、ウバメガシの葉上に落ち着いたところでようやくしっかりと美しい姿を記録する。低温期にみられる青鱗粉はもうほとんど発現していない。
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公園内にはいつのまにか増えたマツバウンランが咲き、ヒラドツツジも咲き始めている。
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しかし気温が上がらないためかアゲハの飛来は望めない。
posted by クジャクチョウ at 22:51| Comment(0) | 日記

2020年04月20日

ジャコウアゲハの産卵を確認

ジャコウアゲハの♀の発生を認めた2日後、産卵する個体がいる可能性に期待して現地を訪問。盛んに飛び交う♂の数が増えていて、その多くは低い位置から高いクスノキの枝葉先まで、なめるような探雌飛翔を繰り返す。そんななか、ツグミが複数頭みられる草地の低い位置を飛ぶ♀が目につき、その動きを追う。先ほどから探雌飛翔を続ける♂がアッタクしないのが不思議だが、♀は遠くからその飛翔を眺めていた筆者の近くまでやってきて、体周りを旋回した後、ウマノスズクサが多い土手の方へと飛んでいく。
 急ぎ公園を出て土手へと移動すると、明らかに産卵場所を探すような飛翔を見せている。
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母チョウは産卵時には動きが止まるので、すぐに土手斜面へと入り込んでカメラを向ける。
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二度目の産卵時には、ちょうど尾端から卵を押し出す様子がはっきりと観察できる態勢をとってくれていて、フォーカスがあっていることを確認しながらビデオ撮影に集中する。
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3個の産卵の後に風にあおられて車が行き交う県道の方へと飛び上がった際、あろうことか走ってきた軽自動車とぶつかってしまう。急ぎ県道まで走り上り、どうなったのか確認すると、道路上に横たわる母チョウの姿が。車がきていないことを確認して直ちに母チョウを回収。どこが当たったのかすぐには分からないが、動こうとはしない。それでも翅も体も傷はついていなく、やさしく体をつまんで土手下まで走り下り、カラスノエンドウが茂る草むらにそっと置いてやると、ただ気絶していただけだったようで、元気に飛んでくれてほっとする。カラスノエンドウまわりではツバメシジミの♂もみられる。
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 連日の雨風で桜の花は相当少なくなっているが、あいかわらず花蜜を求める個体がまだみられるので、しばらく粘って Ser.5 となる吸蜜シーンを公園外の道路側から撮影する。
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桜の樹の根元周りに茂るカラスノエンドウの花で吸蜜する新たな♀も観察できるが、フェンスがじゃまでいい記録がとれない。土手斜面にはキアゲハの幼虫が食エサにできるノラニンジンが多く、キアゲハがやってくるが産卵目的ではなく、カラスノエンドウで吸蜜を楽しんでから飛び去る。
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いぜんとしてクスノキの梢部分をなめるように飛ぶ♂が複数いて、その動きを目で追っていると、かなり高い位置の葉上でいきなり休息し始める。
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時刻はまだ14時前だが、筆者も高い位置の桜の花や新葉が多いクスノキの梢部分を30分以上は眺めていたことで疲れを感じ、ジャコウアゲハの休息に合わせて退散する。



posted by クジャクチョウ at 18:46| Comment(0) | 日記

2020年04月19日

高砂市で2018年新産地発見のシルビアシジミは健在

そろそろシルビアシジミが発生しているかもしれないと、2018年に新発見をした高砂市の生息地を訪問。道路沿いの低い位置を飛ぶヤマトシジミやタンポポの花に止まったかと思うとすぐに飛んでしまう、春型が美しいヒメウラナミジャノメ、
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日向ぼっこ中に少しだけ開翅してくれることで、わずかに低温期の青鱗粉が残った♀だとわかるツバメシジミ、
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さらにはこの時期、日の当たる草地に行けば必ずみかける翅を傷めた越冬明けのヒオドシチョウの記録もとる。
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草地の低い位置を飛ぶシジミチョウを探すうち、裏面しか見えないが明らかに色調が暗く見えるシジミチョウを追っていくと、タンポポの開ききっていない花で吸蜜し始める。いつもなら土手斜面に多い、シロツメクサで吸蜜することが多いのだが、この日は花といえばタンポポだけという感じで、そのことが幸いしていつもに比べてずいぶん長い時間蜜を求める様子をたっぷりと撮影記録。
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その間、なかなか翅表を見せてくれず、ようやく半開翅状態をみせてくれて♀だとわかり、
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飛び立った瞬間の翅表の狭いブルーが決め手となる。
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結局、♂には出会えなかったが、土手斜面以外にミヤコグサの群落は残っていることだし、今年も継続的発生は安定だと思われる。
posted by クジャクチョウ at 17:00| Comment(0) | 日記

2020年04月18日

桜とジャコウアゲハ Ser.4 は♀が登場

夜半の雨が上がった好天気の朝、天気予報は12時から再び雨。やがて1時間前倒しの11時から突然の雷雨となるが、13時には再び青空が広がる。冷たい風が強く吹くが、雨上がりにはチョウが飛ぶことを期待してジャコウアゲハの生息地へ。目的は♀がいつ登場するかの確認だ。移植したウマノスズクサは自然の雨の恵みをえて元気を取り戻している。
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 雨風でますます花が少なくなった桜だが、ほかに蜜源が少ないせいで今日も桜にやってくるジャコウアゲハを観察。
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公園内の草原にはクローバーの花にモンシロチョウ、
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タンポポの花に止まりそうでとまらないアゲハ、それなら私がとキアゲハがタンポポの蜜を求め、
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低い位置で探雌飛翔を続けるジャコウアゲハもいて、占有行動をするヒオドシチョウがそばを飛ぶチョウに対してすぐにスクランブル飛翔で追いかけては、草地へと舞い戻る。
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落ち着いたところへとビデオONでかなり接近してもチョウではない筆者の動きには反応しない。
 複数の♂があちこちで探雌飛翔を繰り返す中、ようやく今年初見の♀が現れる。本日羽化した個体だと思え新鮮度が高く、その飛翔を追うと、うれしいことにあまり高くない位置の桜で吸蜜し始める。
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そのあと広場となっている草地を低く飛び、やがて休憩。
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先ほどから飛び交う♂たちはまだ気づいていなくて、アタックを仕掛ける個体は現れない。できれば後翅が破損した個体ではなく、イケメンの♂とカップルになってほしい。
posted by クジャクチョウ at 16:25| Comment(0) | 日記

2020年04月17日

桜とジャコウアゲハ Ser.3

桜の花が散り始めて、なお、ジャコウアゲハの♀の羽化を確認できないが、いぜんとして桜で吸蜜をする♂を観察できるのはうれしい。とはいえ、桜を訪れる個体の新鮮度が落ちて行っているのが残念。昨年から観察してきた越冬蛹の一つが羽化しているのを確認できるが、たぶん♂だったと思える。
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羽化して間もないと思える個体も観察できるが、あいかわらず♂だ。
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公園の路面に飛来したヒオドシチョウを撮影記録して、
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住宅街に近い桜の樹を見て回ると、ジャコウアゲハがやってきて目の前で吸蜜しはじめ、
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青空を背景としたいい感じの吸蜜態勢をとってくれる。
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その♂も新鮮度が落ちているのが残念だが、そろそろ引き上げようかとした段階での吸蜜サービスはありがたく、4月9日に、今年は桜の開花にくらべてジャコウアゲハの羽化が遅いため、桜での吸蜜シーンに出会える可能性が低いと想定したのが、大外れとなって幸い。
posted by クジャクチョウ at 14:16| Comment(0) | 日記

自然観察ノート