2020年06月15日

ヒメヒカゲ調査 Ser. 15

2日間はヒメヒカゲの変異個体との再会目的で発生数調査をしなかったため、一日中雨の心配がない本日、加古川河川敷経由のcyclingで現地まで所要45分。一般的に雨が続いた後の好天気にはチョウが多く飛ぶことになるのだが、ヒメヒカゲの発生ピークが過ぎたことを示すかのように草むらを飛ぶ個体数は少なく、羽化して間もない新鮮度が高いヒメヒカゲも観察できない。写真記録としてはそういう事実も残しておくことが大切だと、確実に相対比率が高くなっている♀を中心に撮影記録をとる。うれしかったのは、まだマーキングをした♀が複数見られたことで、懐かしい友達に再会できたような心境になる。最初の撮影個体は、左後翅に赤ポチが2個で5月29日の記入だから18日目の再会である。
200615ヒメ赤ポチ2_1413.bmp
次の例では翅を閉じて止まっている片側だけからの記録では思わぬ見落としがあることを知る。おそらくたくさんの子孫を残す産卵も終えたとみられる♀を撮影したそのあと、
200615ヒメ1414.bmp
その♀が転飛して撮影時とは逆向きにとまったとき、その翅にマーク跡があったのである。
200615ヒメ2-2_1415a.bmp
前翅に2-2という6月2日(14日前)の記入数値と、よくみれば後翅にも黒ポチ1個があって、こちらはそれより前の5月31日(16日前)のマーキングで、実施例が少ない二度にわたるマーキング個体。3個体目は左前翅に赤マジックがみられ、5月28日(19日前)のマーキング個体だ。
200615ヒメ7_1435.bmp
マーキングは6月4日までで、本日見る個体の多くはマークのないヒメヒカゲだ。
200615ヒメ1430.bmp
一見美麗個体だと見えて撮影記録をとった♂は、よく見れば後翅の右上部が相当傷んでいる。
200615ヒメ1433.bmp
ウラナミジャノメの観察個体数が増えているが、新鮮度はいずれも高くない。
200615ウラナミJ1429.bmp
本種は開翅状態で前翅の眼状紋周りを観察し、その部分が淡色となっていれば♀だと判別できるが、翅表を確認できない場合は全体的に翅に丸みがなくて小型だと♂だろうとみなす。本日、薄暗い路面へと潜り込んで翅の開閉を繰り返す♀をみたが、吸汁をしていたかどうか口吻の動きがわからない。
200615ウラナミJ1336a.bmp
 ヒメヒカゲ関連での特記事項は、翅裏の鉛色鱗粉が発達した変異個体との三度目の出会いがあり、
200615ヒメ変異1448a.bmp
その♀がいた近くのコイヌノハナヒゲに、明らかに同一♀によると思われるまとまった8個の卵を確認できたこと。
200615ヒメ卵1452.bmp
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1個は久しぶりとなるケネザサの葉先への産卵だ。
200615ヒメ卵1457.bmp
これらが変異のある♀による産卵なのかどうか、その♀があまりにもまだ新鮮度を保っていることで未交尾かもしれないと思わせる。そこで8個の卵を回収して飼育をし、その中から変異個体が出るかどうかを確かめることにする。
本日の今一つの特記事項はミドリシジミが観察できたことで、ズームアップでの撮影で雌雄の区別が難しかったが、開翅してくれた時点で♀であることが確実となる。
200615ミドリ♀1521b.bmp
200615ミドリ♀1521.bmp
16時20分頃、いきなり2頭が卍の絡み飛翔を展開し、ときおり見える金緑色の輝きから1方が♂だったことは確か。発生個体数が少なく、ハンノキまわりをルリシジミが飛んでもそこに絡んでくるミドリシジミの姿はない。


posted by クジャクチョウ at 23:45| Comment(0) | 日記

ウラナミジャノメの変異について訂正

 黄金ウラナミジャノメとの再会を期待して通い続けた場所で、6月12日に新たにみた前翅裏眼状紋が円形とはいえない変異個体が♀だとわかった段階で、このような変異は次の代以降にも発現するのかどうかを知りたくなって連れ帰り採卵を試みていたところ12個もの卵を産んでくれた。
200614eggs.jpg
さらにはここ数日連続して出会えたヒメヒカゲとウラナミジャノメの変異個体に関して、月刊むしに投稿する価値があると判断し、その原稿を書き始めてから変異の発現が左右ともに出ていたかどうかのデータが両者いずれもとれていないことに気づく。ヒメヒカゲは6月14日に現地で再会出来、変異の発現が左右同じことを撮影記録できた。ウラナミジャノメについて黄金タイプはその後にまったく再会できないためあきらめるしかないが、採卵できた個体は現地に戻す際に撮影記録を取ればいい。
 というわけで本日、連れ帰った元の場所で静かに野外へと飛び出てもらい、あらためて変異の程度を左右で確認してみた。その結果、最初に撮影記録できた画像で眼状紋の一部が直線状になった変異だと思えたのが、
200612ウラナミJ1459.bmp
200615ウラナミJ1350a.bmp
実はそうではないことが明らかになり、変異の発現は片方だけであることも確認できた。
200615ウラナミJ1350.bmp
最初の記録が斜め上からの俯瞰的な撮影で、真横からの画像をとっていなかったことが変異内容を正しく記録できなかった要因で、学術的証拠写真記録の撮り方についてとても重要な反省材料となった。
posted by クジャクチョウ at 23:00| Comment(0) | 日記

自然観察ノート