
タテハチョウ科の羽化は、翅部分の変化が顕著でないまま羽化してしまうことをゴマダラチョウでも経験している。大アさんからは背中の鉤部分が透過光で空洞になってみえる、と教えていただいていて、確かに透けている。とにかく羽化の確実な兆候は腹節部が広がることだ。それでも翅が丈夫なタテハ類ではヒメヒカゲのように羽化直前になってことさら広がりが幅広くなることがないまま羽化に至ることが多い。
大アさんからは午前中に羽化することが多いとのアドバイスもあり、10時までに羽化するだろうと予想しながらも6時からビデオ撮影モードをON状態にして、昨日に捕獲したトラフカミキリの足や触覚を整えていたら、蛹の下にしいていたチッシュペーパーが赤く染まっているのに気づく。時刻は6時半を過ぎているがここまで早い羽化は想定外。


蛹がひび割れてスミナガシが出てくる瞬間の記録は撮れているが、翅を伸ばしていく様子が画面から外れていた。



蛍光灯を照射していても羽化個体の色調をとらえるのには光量不足で、吹き流しへと移してから翅を全開として止まる得意のポーズをTG-6で撮影すると、自動的にONとなるflash効果もあって美しい緑色を帯びたスミナガシ独特の色調が記録できている。

貴重な蛹を提供して下さった大アさんには感謝の気持ちでいっぱいだ。アオバセセリの蛹もいただいているが、

こちらの羽化については、帯蛹から出た後どこで翅を伸ばすかの想定が難しく、撮影記録がとれるかどうかは微妙。