2021年04月07日

ギフチョウの産卵はまだ

昨日、加古川市志方町の城山で観察できたギフチョウの♂2個体は、いずれも翅が傷んでいたり、鱗粉がはがれていたりで、もはや城山でのギフチョウの撮影は無用で、ヒメカンアオイのある場所で♀による産卵に期待した方がいい。というわけで、毎年産卵調査をしている地域の1か所を訪れる。いきなり目に入った光景はイノシシに荒らされてヒメカンアオイが激減している雑木林の一隅。新葉が陽光に映えるヒメカンアオイの株を複数個所調べたが産卵は見られなく、
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ギフチョウの♀がここに飛来した可能性は低い。花が咲くイカリソウはわずか2株で、
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この花でギフチョウが吸蜜する場面も期待薄だ。林床にひっそりと咲くシハイスミレとタチツボスミレの撮影記録をとって雑木林を出る。
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 周回道路いにコバノミツバツツジが咲き誇る権現湖に転戦して、トラフシジミかコツバメの発生に期待したがその姿はなく、ミヤマセセリの♀がV字開翅で日光浴をする様子を撮影し、
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コバノミツバツツジにやってきたアゲハを捕獲すると左後翅の尾状突起がわずかに欠けた♀で、裏面の美しいオレンジ紋を撮影記録しながら飛んでいかせる。
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数年前に山火事で類焼したところはまだ荒れ地のままで、その斜面をのぼって春景色を切り取ってみる。
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妻が待つ車に戻ると、青色に惹かれてなのか越冬明けのテングチョウが車にまとわりつくような飛翔を見せている。やがて屋根部分にとまったかと思うと口吻を伸ばして何かを吸い始める。
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屋根表面を陽光にすかしてみれば、わずかに陽炎様に水蒸気が立ち上っており、テングチョウはこの水蒸気を口吻で吸汁していることを知る。本日の上記3種以外の観察種は越冬明けのキタキチョウとコバノミツバツツジで吸蜜しているところを撮影しようとして飛び去られたモンシロチョウだけで、例年よく見る越冬明けのルリタテハやヒオドシチョウには出会えないまま撤収。

posted by クジャクチョウ at 18:17| Comment(0) | 日記

自然観察ノート