
オオイヌノフグリにとまったりした時点でシルビシジミではないと判別。オオイヌノフグリではツマグロヒョウモンの美麗♀が夢中で口吻を伸ばして蜜を吸っているのを撮影し、

歩き続けて最後となった陽だまりでようやくヤマトシジミとは明らかに青の色調が濃いシジミチョウの飛翔を認める。この飛翔から目を離さないようにしつこく付きまとった結果、ありがたいことにスミレの花に立ち寄って吸蜜するシルビアシジミを記録。スミレの仲間ではアリアケスミレでの吸蜜例があるが、これはアリアケスミレとは違う種だと思われ、初記録となるが同定が難しい。

この個体はすでに右前後翅が一部欠けており、発生してから数日は経過していると思われる。春の個体は♀でも青鱗粉が発達する場合があって、吸蜜中の映像では雌雄の判別ができなかったが、スミレを離れて飛び立った瞬間に明らかに♂だとわかる。

草地へと飛んで行った近くに別の♂がいたらしく、絡みの飛翔が展開するが、その絡みが解けた段階でより青色が濃い個体の飛翔を追うと、土手から離れた自動車道路沿いの路面にとまるが、吸汁しているかどうかはわからない。

先ほどの個体と違って新鮮度が高い。次いでオオイヌノフグリへと移って蜜を求めたかと思うとすぐ次の花へと移動する。三度目の転飛でようやく落ち着いて吸蜜し始めたところでじっくりとビデオ撮影。PCに取り込んでの編集で、口吻がしっかりとのびて確かに吸蜜しているとわかる静止画像を切り取る。

兵庫昆虫同好会会誌の「きべりはむし」にシルビアシジミの訪花植物について第4報まで投稿しているが、タチツボスミレでの吸蜜は初記録で、オオイヌノフグリでの吸蜜シーンは今回の撮影記録が断然いい感じとなっている。最後に、本個体は、太陽光を受けた翅表全開の美しい姿も見せてくれた。
