2021年04月10日

シルビアシジミの初見は記録更新

 ギフチョウ観察会を終えた帰路、シルビアシジミの生息地で発生個体との出会いを期待して土手周り500mほど目を凝らして歩いてみる。モンキチョウの♀がミヤコグサに産卵し、♂の飛翔も複数を見る。シジミチョウが飛び出してもすべてが青の色調が白いヤマトシジミで、
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オオイヌノフグリにとまったりした時点でシルビシジミではないと判別。オオイヌノフグリではツマグロヒョウモンの美麗♀が夢中で口吻を伸ばして蜜を吸っているのを撮影し、
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歩き続けて最後となった陽だまりでようやくヤマトシジミとは明らかに青の色調が濃いシジミチョウの飛翔を認める。この飛翔から目を離さないようにしつこく付きまとった結果、ありがたいことにスミレの花に立ち寄って吸蜜するシルビアシジミを記録。スミレの仲間ではアリアケスミレでの吸蜜例があるが、これはアリアケスミレとは違う種だと思われ、初記録となるが同定が難しい。
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この個体はすでに右前後翅が一部欠けており、発生してから数日は経過していると思われる。春の個体は♀でも青鱗粉が発達する場合があって、吸蜜中の映像では雌雄の判別ができなかったが、スミレを離れて飛び立った瞬間に明らかに♂だとわかる。
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草地へと飛んで行った近くに別の♂がいたらしく、絡みの飛翔が展開するが、その絡みが解けた段階でより青色が濃い個体の飛翔を追うと、土手から離れた自動車道路沿いの路面にとまるが、吸汁しているかどうかはわからない。
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先ほどの個体と違って新鮮度が高い。次いでオオイヌノフグリへと移って蜜を求めたかと思うとすぐ次の花へと移動する。三度目の転飛でようやく落ち着いて吸蜜し始めたところでじっくりとビデオ撮影。PCに取り込んでの編集で、口吻がしっかりとのびて確かに吸蜜しているとわかる静止画像を切り取る。
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兵庫昆虫同好会会誌の「きべりはむし」にシルビアシジミの訪花植物について第4報まで投稿しているが、タチツボスミレでの吸蜜は初記録で、オオイヌノフグリでの吸蜜シーンは今回の撮影記録が断然いい感じとなっている。最後に、本個体は、太陽光を受けた翅表全開の美しい姿も見せてくれた。
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posted by クジャクチョウ at 18:53| Comment(0) | 日記

第2回ギフチョウ観察会は最後に笑う

9時集合で参加者はギフチョウ・ネット会員5名(あとから1名参加)と加古川市役所環境政策課の職員3名。気温が上がらない雑木林へと踏み込むと、さすがにまだギフチョウは飛ばないが、ヒメカンアオイへの産卵が複数個所で見つかる。
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この分だと4月29日に予定している産卵数調査では、多くが幼虫になっている可能性が高い。
 11時までにヒメカンアオイがあるギフチョウの発生地4か所を回ってみたが、各所で産卵を確認しただけで、ギフチョウには出会えず。2か所目ではイノシシが出没した影響だけではなく、なぜかヒメカンアオイが激減した状況下、小さな株に14-5個もの産卵が2か所で見られるなど、
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このままでは幼虫が食草不足で全滅することが考えられ、次回の調査時には幼虫の人為的移動が必要かもしれない。観察できたチョウは林道のあちこちで日光浴中のテングチョウが飛び交い、ルリシジミも何度か目の前を飛び、最後にルリタテハが美しい翅表を目一杯広げて見せてくれる。
 気温が上がったところで、再び最初の観察地へと踏み込むと、ギフチョウがやってきており、ひらひらと飛んでは路面で休憩をする、という繰り返しが続いた後、
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ようやくヒメカンアオイへの産卵行動を見せ始める。ギフチョウの♀は、後翅が破損して鱗粉色もあせた個体と、比較的きれいな個体の2頭がいて、両個体ともに産卵する様子のビデオ撮影記録が取れる。
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小さなファインダーでは尾端から押し出される卵をきれいにとらえられているかどうかがわからないままで撮影を続けたわけだが、何とか産卵の瞬間が記録でき、さらに撤収中の最後の時点で羽化したばかりのように見える美麗♀があいさつにやってきてくれたりで、
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観察会は期待以上の「最後に笑う成果」で解散となる。
 個人行動となった段階で、3月末にイシガケチョウの♀が観察できた周回道路沿いでイヌビワへの産卵を期待して調べてまわったが、卵は発見できず。
posted by クジャクチョウ at 18:33| Comment(0) | 日記

自然観察ノート