2021年7月14日:まさか昼過ぎにゲリラ雷雨に急変するとは考えられない晴天猛暑の昼前、除草前の路肩部分から1.5mを外れる土手斜面で、何もしなければ確実に刈り取り作業の犠牲となるジャコウアゲハの卵と幼虫を探して路肩部分へと移す。傾斜部を横伝いにカニ歩きをしながら深い草むらでウマノスズクサを探して葉裏をすべて確認する作業は楽ではなく汗が噴き出す。結局、撮影記録もとらず、正確な個体数を記録せずに次々と路肩部のウマノスズクサ群へと移していったため、卵と幼虫の数は10卵と30個体ていどだと推定。そのあと路肩部で蛹を探すと、新たな枝が伸びたアキニレで蛹化したのは1頭だけで、

あとはウマノスズクサやトクサの茎、チガヤやノラニンジンの茎や葉裏、セイタカアワダチソウの葉裏などで帯蛹となる個体が20頭ほど見つかる。なかには蛹化したばかりで陽光に照らされて濡れた体が光って目立つ蛹もあり、


寄生バチの攻撃に合わないかと心配になる。最後の蛹は県道79号を加古川河川敷へと横切って渡れるところにある道標を支えるコンクリート台の草陰で、

越冬蛹が直接コンクリートの壁面についていることもあって、不思議によくこの場所を選んでいるのだが、夏の時期にもここで蛹化する個体がいることを知る。後日、あらためて土手斜面から下端部分のウマノスズクサにいる可能性がある卵と幼虫を探して回収をする。
2021年7月15日:除草前に卵と幼虫の回収を引き続き、土手の最下端部から斜面にかけて実施。結果的には産み付けられてから間もないとみられる卵が3か所(3, 4, 5, 1)で13個、

幼虫は初令4から若齢、中令、終令の合計17個体。

この間、もぎ取るウマノスズクサの匂いに惹かれてだと思われるジャコウアゲハの♀も飛来してアカツメクサで吸蜜をする場面も見られる。

後翅の尾状突起はすっかり欠けた個体で、まだ産卵をする可能性もある。なお、下端部で蛹を探すとチガヤの茎と背高く茂ったヨモギの葉陰でその小さな茎に帯蛹となった2個体がみつかる。


土手斜面部で路肩から1.5m範囲外となってしまう蛹も4個体を帯蛹となっているセイタカアワダチソウの葉っぱごと切り取って、安全な位置に移しておく。なかには蛹化直後の体が柔らかい段階でハチに攻撃されたと思えるあわれな姿となった蛹も観察でき、撮影記録をとっておく。

昨年、2020年7月12日にフタモンアシナガバチが蛹化直後の蛹をかじっている場面の記録をとっているが、

2015年に飼育中の蛹からでてきたコキアシヒラタヒメバチの記録とあわせて考えると、ウマノスズクサを食べて毒成分を体内に取り込んでいても、その毒成分をものともしない天敵がいるということになる。事実、高砂市の生息地では、毎年、コキアシヒラタヒメバチにやられたと思える穴が開いた越冬蛹を複数見ている。今年、越冬蛹が集まるかどうか興味があるアキニレの木の周りを調べると、蛹化目的とみられる終令幼虫が1頭、枝部分を移動していて、数分後に観察するとどこにいったかわからなくなっていた。おそらく枝葉が入り組んだ安全な場所で蛹化するはず。
posted by クジャクチョウ at 22:00|
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