
その産卵行動をビデオ撮影してさらに飛翔についてまわっていると急に動きがとまってしまう。なぜ?とよくみるとクモの巣にかかってクモにとらわれている。まだ糸掛けはされていないが、食いつかれた瞬間に麻酔状態にされたらしく、体はきれいなままなのに全く動けない状態だ。

ちょっと暗い気分となったが、クモだって生活が懸かっているわけで、新たに飛び出した黄色が濃い♂を追ってみるが全くとまろうとしない。ブッシュ奥のアレチハナガサで吸蜜するキタキチョウの撮影記録を撮ろうと足元を確認しながらブッシュ内へと踏み込むと、ややくたびれたツバメシジミの♀がV字開翅姿勢をとって休んでいる。

続いて手前のアレチハナガサにヒメアカタテハがやってきて目の前で吸蜜し始める。新鮮度が低い個体だが、裏面の特徴がきれいに記録できる。

ほとんど同じタイミングで現れたアゲハチョウは赤いヒガンバナに蜜を求める。

遊歩道へともどると路傍のアレチハナガサで夢中になって吸蜜する後翅の突起が長い夏型のベニシジミの姿があり、

少し離れたアレチハナガサにはアオスジアゲハが飛来して吸蜜し始め、

ツマグロヒョウモンのやや翅を傷めた♀も吸蜜する様子のビデオ撮影を楽しむ。

次いでキタキチョウに代わってアレチハナガサの蜜を求めるモンキチョウを撮影記録。

新たにやってきたヒメアカタテハは鱗粉色がきれいだが右後翅がすでに傷んだ個体で、近くの草葉上で翅の開閉を繰り返す。

路傍足元のヨモギに小さな幼虫の巣がみられ、たまたま幼虫が巣から外に出ているところを記録しておく。

顔を上げた瞬間、キタテハらしき飛翔が目に入る。どこかにとまったと再びブッシュを踏みしめながら探すと、きれいな秋型の♂が静かに翅を開閉している。

その撮影中に飛ばれてしまうが、どこにとまるかを注意してブッシュを踏み分けて進むと、葉陰で開閉を繰り返すキタテハがみつかる。

セイバンモロコシの茂みを飛ぶのはキアゲハで、

産卵対象のノラニンジンを探しているように見えたが、結局どこにも食草を見つけられなかったようで飛び去って行く。
古新堰堤を越えてコムラサキを探しに行く途上、高砂消防署の消防車など車が3台とまり、堰堤のすぐ上の水面に複数の潜水署員がいて、大声で作業手順を確認し合っては潜っている。


行方不明者の捜索のようだが、地上で見守る消防隊員に声をかけるのははばかれる。
数日前にコムラサキとゴマダラチョウの追飛翔を眺めて過ごしたカワヤナギ周辺に飛び交うチョウはルリシジミとイチモンジセセリだけで、発生時期は終わったのかと堰堤付近までもどったそのとき、カワヤナギ周りをコムラサキが飛ぶ。結局、撮影できるような葉っぱにとまることはなく、飛翔時の証拠記録をとっただけ。

河川敷の川沿いをみながら進むうちにカナムグラの群生地が見つかり、

うれしくなって撮影記録をとりながら、この場所の草刈りはしないでほしいと願う。ヒメアカタテハやキタテハと遊んだ部分に戻り、撮影記録がとれるチャバネセセリをねらい、

きれいなナブルーを輝かせて飛ぶツバメシジミについてまわると、やがて草葉上にとまって見事に美しい翅表を開いて見せてくれる。

近づきすぎてとばれても、すぐ近くでまた開翅姿勢をとってくれ、

本日の記録としては最高の映像がとれる。