2018年05月29日

四度目のサイクリング調査は実り多き半日

すっきりとしない天気だが雨が降る心配はないことを確認して、9時5分出発でヒメヒカゲ調査を目的とした四度目のサイクリング。南北いずれからも影響のある風が吹かないなか、加古川河川敷経由で今回は途中道草をせずに直行し、到着は45分後の9時50分。すぐに15分程度で終わるヒメヒカゲのルートセンサス調査に入る。曇天のせいかメイン草地にヒメヒカゲの飛翔は見られず、No.5地区で初見のウラナミジャノメが飛び出したのと、
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No.7地区で翅の傷んだヒメウラナミジャノメがサカキの近縁種だと思われる木の花蜜を楽しむ光景を撮影記録しただけで、
180529ヒメウラナミJ吸蜜.bmp
以降、ヒメヒカゲ生息マップのNo.31の調査に移る。ここでもヒメヒカゲの発生は確認できずに終わるが、珍しい事象として、ヒメウラナミジャノメがイシモチソウの粘液滴に翅をくっつけて暴れている場面に出くわす。
180529ヒメウラナミJ0.bmp180529ヒメウラナミJ1.bmp180529ヒメウラナミJ2.bmp180529ヒメウラナミJ3.bmp
チョウは必死でもがいたりするが粘液の捕捉力は強く、くっついた翅がはがせる望みはないようだ。このままチョウの力が尽きたとしたら、クモの巣にひっかかった場合に比べて、いったいどのような経過をたどることになるのか予測ができない。イシモチソウ自身は大地に根をはって栄養分を得ているわけで、粘液滴にかかる昆虫からの栄養がなくても生命を維持できると思われ、俄然、チョウがかわいそうになる。自然の営みに手を加えてしまうことになるが、そっと翅を粘液敵から外してみるとあまり抵抗なくはがれ、チョウは元気を取り戻して飛び立ってくれた。イシモチソウが怒って粘液的で筆者を襲ってくることもなく、以前、ヒメヒカゲが同じような状況に陥った際には自力で飛び立ったことを思い出しながらメイン草地へと転戦。
 いくらかの日差しで草地が温かくなったせいか、急にヒメヒカゲがあちこちで飛び始める。正確な数はつかめないが、10個体は出ている。
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ヒメヒカゲとは違うなと思うとテングチョウがイヌツゲの花蜜を求めてやってきている。
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ヒメヒカゲについてはできる限り異なる個体の撮影記録をとろうと追いかけるが、同じ個体を二度三度みることはザラ。
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ほとんどがオスで、開翅姿勢も見せてくれる。
180529ヒメ開翅1042.bmp180529ヒメ開翅1046.bmp
ときに2頭がからむような飛翔をみせるので近づくと新鮮なメス個体にオスが交尾を迫っている。残念ながら目の前でカップルが誕生することはなく、美しいメス個体の撮影記録をとったあとは、
180529ヒメ♀1044b.bmp
ネットを準備して飛翔個体を捕獲しては赤マジックでマーキング。そしてすぐに飛ばしてやるのだが、アゲハやモンシロチョウと違うのは、こんなひどい目に合わせても遠くへとは飛び逃げず、すぐ近くに落ち着いてしまう。
180529マーキング.bmp
 目につく個体のすべてにマーキングをしたところで撤収すべく、自転車へとあるき始めた矢先、オートバイでやってきたリュックを背負った男性が草はらへと向かうのが目に入る。採集者かどうかを確かめるべくUターン。カメラ片手に草地を歩く様子が確認できたところで声をかけ「マーキングをしたから」と話すと「赤いポチがついていましたね」と目ざとく察知されている。
 帰路の予定はウラギンスジヒョウモンの発生地で蛹を探してみること。犬2頭を連れた女性に挨拶をして現地へと踏み込んだとたんに、目に飛び込んできたのは生々しい草の刈り込みの跡。休耕田の南半分のアカツメクサやヨモギなどがすっかり刈り込まれ、蛹がいれば犠牲になったのではとの思いがよぎる。
180529刈り込み.jpg
残る半分はまだヒメジョオンやアカツメクサの花が咲き乱れる草地のままだが、もはや蛹の探索意欲はなく、もう帰ろうかと戻りかけたそのとき、明るくて濃い色のオレンジが飛ぶ。この色はツマグロヒョウモンではなく、ウラギンスジヒョウモンの可能性が高い。本種の生態調査を初めてすでに10年だが、オス個体が探雌飛翔で飛び回る際、そこらで咲くノアザミの花などで吸蜜する光景に出会ったことは一度もなく、不思議でしかたなかったのだが、この日はオス2個体がカメラで近づいてもすぐには逃げずに、アカツメクサとヒメジョオンで夢中になって蜜を求める。
180529-吸蜜0.bmp180529ウラギンスジ1.bmp180529-吸蜜1.bmp
この状況で考えるのは、羽化したばかりのオスはメスの羽化がまだだと分かっていて、メスの羽化までに存分に花蜜を楽しんでエネルギーを蓄えているのだろうということ。メスが登場すればひたすら交尾を求めてメの姿を追い求めるという考察だ。
 最後に河川敷のキアゲハ幼虫がもう蛹化したはずということでノラニンジンの周辺をかなり調べてみたが、本件に関してはキアゲハの雲隠れの術にまんまとやられて実りなし。
posted by クジャクチョウ at 17:37| Comment(1) | 日記
この記事へのコメント
こんばんは
いつもヒメヒカゲ調査ご苦労様です。
本日バイクでお邪魔した者です。
今期はすでに4度訪問させていただきました。
そのいずれも採集者には出会っておりません。
保護活動が認識されてきたのでしょう。
ますますご活躍くださいますように。
Posted by atomzizi at 2018年05月29日 23:17
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