
経過観察を続けていたが、今朝7時半に見た時点で蛹が黒くなって腹節部の広がりも幅広く変化している。

急ぎビデオ撮影の準備を整えて様子を見る。9時15分に蛹がピクリと動き、5分に1回ていどのわずかな動きをみせたあと、9時半を過ぎて大きく体を曲げるしぐさをみせる。9時34分、蛹の頭部分に亀裂が入り、

50秒後に頭から上半身にかけて蛹から抜け出てくる。

完全に脱出したあと、

蛹殻につかまる気配はなく、

ヤマビワの葉っぱからも離れて歩いて移動する。

いったん静止するのでここで羽を伸ばすのかと思えば再び移動。そこで手指へと移ってもらって緑が多いスゲの葉へと移すと体重が重くて落ちそうになり、

結局、そばにあったスプレーの先端部に落ち着く。

この段階できれいな翅表もいくらか記録できたことから、撮影しやすいチガヤの葉に移ってもらって伸び切った翅の鱗粉の輝きをしっかりと記録する。



やはり羽化した直後のチョウの美しさは格別で、アオバセセリをここまで美しい状態で観察したことはない。まさに目の覚めるような美しさといえる。
アオバセセリの羽化シーンを目にできたのは初めてで、野外でも羽化後には翅を伸ばす足場を確保するために相当の距離を移動する習性があると思えた。貴重な蛹を提供して下さった大アさんに深く感謝したい。
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日ごろの研鑽と観察眼の賜物ですね。
羽化したばかりの翅のブルーから黄緑までの金属光沢グラデーションが宝石の様に輝いてとても綺麗ですね。
この蝶は羽化の前兆が掴み難いので、こちらが根気負けしがちです。
アオバセセリの蛹は、他の蝶の様な決まった破断線がないのか、バリバリと殻を破って出て来る感じですね。
そして、羽化後も気に入った場所を探して歩き回る感じで、無人撮影は難しいです。
翅を伸ばす時に数十分だけ翅表を見せてくれますが、これはとても貴重な時間です。
一昨年〜今春まで10頭ほど羽化後を見ましたが、肛角部の朱赤色と黒斑の模様は個体差でパターンに変化があります。
まずはおめでとうございました。