

ついでに産卵しそうな飛翔を見せる個体もやがては葉陰へともぐりこんで休息し始める。それほどに陽ざしがきつい時間帯に、短い棒で繁茂するトクサなどを押し分けて蛹を探し、

ウマノスズクサの小生えがあれば葉裏に卵がないかを確認する。

何カ所かで見つかった卵はすべて根元近くで茎を切り取ってビニール袋へと回収し、孵化してから現地に戻すことにして持ち帰るのだが、

これまでみたことがないブドウのように表面が変に光り輝く卵塊もあって、

本来、母蝶が産卵後、卵表面に毒成分を含むクリームを塗りつけて保護しているはずで、何者かがなめとるようにはがしている。また、卵の内容物がダニ類に吸い取られたと思える卵も観察でき、

ウマノスズクサ由来の強い毒成分:アリストロキア酸に対して抵抗力を持つ生物が何種かいることを知らされる。路肩部分にあるアキニレは今年も根元で切られたが、そこには羽化できなかった越冬蛹が多く観察できて悲しくなる。

幼虫は若齢から中令まで複数の個体を回収し、

平坦部のウマノスズクサが茂る部分へと移す。