2018年06月22日

ヒメヒカゲの生息調査(Ser. 12):最終章

ヒメヒカゲの生息調査の最後ときめて10度目のサイクリング。ヒメヒカゲの数は想定どおりに激減しており、最も個体数が多かった草むらで飛ぶ唯一の♀はかなりすれているし、飛び方もどこか弱々しい。
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ルートセンサス調査の小道沿いは、雨上がりで薄日がさすというのに飛び遊ぶセセリチョウもいない。ときおり飛び出てくるヒメヒカゲはまだ小奇麗な個体もいるが多くは翅の傷んだ♀で、
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湿地帯のそばでみる後翅を大きく野鳥についばまれたと思える個体が、それでも翅を元気よく開閉している姿には心がゆれる。
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その様子を撮影記録したあと、この♀が産卵したと思われる卵2個がみつかり、来年の初夏には次世代として飛び立ってほしいと願いながら撮影記録をとる。
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もう♂はいないのかと思ったが、どっこい長生きの♂もみる。
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今年の発生個体数が想像以上に少ないと感じたウラナミジャノメは本日1個体のみの観察で、翅表をみせてくれないため♂♀の判別ができない。
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posted by クジャクチョウ at 06:51| Comment(0) | 日記

2018年06月21日

ウラナミジャノメの自然卵を発見できた

ウラナミジャノメ(Ypthima multistriata 絶滅危惧U類:以下本種)の産卵に関しては、2009年6月に久保氏が加古川市で観察された産卵行動を報告:きべりはむし(Vol.32(2), p.9-11, 2010)されているのが日本で唯一の記録であったが、本日、2番目の記録となるショウジョウスゲへの自然産卵1例を発見できた。
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本日の発見卵は日陰となった部分に自生するショウジョウスゲの大きな株の中央部から出た細い生葉の下側で、♀が潜り込むことで初めて届くと考えられる地上約5cmの位置に産みつけられていて、久保氏の報告にある、日陰となった場所のスゲ類(枯葉と生葉:地上約10cm)に潜り込んで産卵したとの記録に近い状況といえる。発見場所は久保氏の報告例と同じ東播磨の低山地裾野部で、本種とヒメヒカゲがほぼ同じ発生時期で混生しており、当日、筆者はヒメヒカゲの産卵調査をしていて、
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偶然、ショウジョウスゲに産みつけられた本種の卵を見つけたという次第。画像でわかるように白色のヒメヒカゲの卵と違って、本種の卵は青緑色をしているため容易に判別できる。筆者は2010年4月に本種の幼虫がショウジョウスゲを食草としていることを発見して報告:やどりが(No.229, p.32-39, 2011)しており、ショウジョウスゲへの産卵は普通だといえるのだが、ヒメヒカゲとウラナミジャノメの生息地で生態観察を2008年から継続している過程で、産卵直後ではなくウラナミジャノメの自然産卵を発見したのは今回が初めての例となる。
posted by クジャクチョウ at 17:27| Comment(0) | 日記

2018年06月18日

ヒメヒカゲの数は激減で、卵を探してみた

本格的な梅雨となる前の日差しがある午後にヒメヒカゲの生息調査。フィールドに向かう休耕田の草むらで探雌飛翔をするウラギンスジヒョウモンが3個体観察でき、
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1個体がアザミの花でほんの一瞬吸蜜をしてすぐに飛ぶ。当然その瞬間は記録できていない。発生のピークが過ぎて、ヒメヒカゲはあきらかに個体数が減っており、ルートセンサス調査でゆっくり歩く15分間で観察できたのは4♂3♀だけ。
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それでも目の前で♀に交尾を迫る元気な♂はそれほど翅が傷んではいない。
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♀が産卵する場面には出会えていないが、湿地帯のコイヌノハナヒゲに目を凝らすと、かろうじて1卵がみつかり、
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その記録をとるべく撮影アングルを工夫していると、直ぐ側の枯れ草にも産卵しているのがみつかる。
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その他にはオオチャバネセセリ、イチモンジセセリがケネザサの多い小道沿いで遊んでおり、
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ウラナミジャノメの求愛飛翔も観察したが、撮影記録は残せず。
posted by クジャクチョウ at 19:33| Comment(0) | 日記